小型カメラには赤外線ライトやLEDが搭載されている機種が多く販売されています。うたい文句は「0ルクスの暗闇が撮影できる」です。
しかし本当に「真っ暗闇」が撮れるのでしょうか。
暗闇が撮れると期待して購入した赤外線付きカメラ、いざ撮影してみると
・なにこれ?
・こんな程度?
期待して購入したのに撮った動画を見たら暗くて何も映っていない。
そんな失敗がないようにこの記事では、小型カメラに搭載される赤外線カメラの選び方とおすすめ機種も含めて紹介していきます。
赤外線カメラとは
赤外線カメラは夜間や照明のない真っ暗の世界を映すことのできるカメラです。
カメラレンズの周囲に取り付けられた赤外線LEDが暗闇を照らしています。
しかし私達人の目には見えない光(不可視)で、実際にその光を肉眼で見ることはできません。
暗闇で赤外線カメラを使っていても撮影していることに気付かれません。
ですが悪用は禁止です。
赤外線に感度をもつカメラは、光が全くなくても赤外線に反応した被写体、人や動物、物などを白黒の映像で映してくれます。
注目したいのが「赤外線に反応する」です。
小型カメラの赤外線にとって重要となる点なので後ほど詳しく説明します。
不可視の赤外線
不可視の赤外線LEDやライトは人の目には全く見えない光です。
そのため夜の暗闇を撮影する防犯カメラによく使われています。
また犯罪は暗い夜中に行われることが多いため、住居への
・不法侵入
・自動車へのイタズラ
・悪質なストーカー
などの「証拠」を撮る監視カメラや防犯カメラによる動画撮影にも使われます。
可視の赤外線
可視の赤外線は赤外線LEDの赤い光が薄っすらと人の目でも見えます。
このため暗闇ではその光が分るので撮影されていることに気付くことにもなります。
犯罪の事前防止の抑止効果には優れています。
可視タイプの赤外線の光は不可視よりもより強力であるメリットがあります。
赤外線透過はするの
赤外線は昼間人に向けて見ると服が透けて裸が見える。このように思っている人も多いと思います。
これは実際に可能ですが、現在市販されている赤外線カメラではこのように服が透けて見えることはありません。
- 可視光は衣服で光を反射
- 赤外線は衣服を通過して人の肌で反射
よって下着などが浮き上がり透けて見えるようなことになるのです。
特殊な赤外線フィルターをカメラに取り付けて撮影する必要がありますが、それでも服の中が透けて丸見えなんてことになりません。
小型カメラの赤外線は使えるの
小型カメラに搭載される赤外線には「おもちゃレベル」と「実用レベル」があります。
・購入した小型カメラで暗闇の世界を撮影するぞ!
と期待でワクワクして撮影するもあれ?どうした・・・。
映っていないじゃないか。
こんなことも想定されます。それはなぜか詳しく説明していきます。
赤外線には照射距離がある
小型カメラだけに限らず、赤外線LEDの光は人の目では見えませんが光がどこまで届くかの
というものがあります。
一般的なLEDライトでも、車や自転車のライトも同じように光を照らす距離には限りがあります。
自動車のライトで例えるなら、夜にライトを付けて走行しているとき
・ロービーム
・ハイビーム
に切り替えることがありますが、ロービームではそれほど遠くまで先を見ることができませんが、ハイビームならより遠くまで光が照らされて先の方まで見えるようになります。
これと同じように小型カメラに搭載される赤外線LEDも光が届く距離があります。
赤外線の光が届く範囲で赤外線に反応した物体だけをカメラで映すことが出来るのです。
小型カメラや市販のカメラでは0.5m程度の照射距離の赤外線LEDから
- 5m
- 10m
- 20m
- 30m
の距離まで赤外線の光が届くものなどいろいろあります。
あなたがもし、赤外線LEDが付いた腕時計型カメラを購入したとします。
腕時計型カメラの赤外線LEDではせいぜい1m前後の照射距離しかありません。このカメラで夜で電気を点けていない部屋全体を撮影しようとしても不可能ということになります。
1m程度の照射距離の赤外線の光では、撮りたい被写体にカメラを接近させて撮る必要があります。
使う用途にもよりますが「0.5m」や「1m」程度のものはおもちゃレベルと言えます。
赤外線の光が届く「照射距離」が最低でも5m以上のカメラがおすすめです。
赤外線LEDの照射距離に注目しよう
暗視カメラと赤外線カメラの違い
暗視カメラと赤外線カメラは似ているようで異なります。
暗視カメラは高感度カメラとも呼ばれるカメラです。
高感度カメラと呼ばれるには意味があります。
少ない光でも感度が増幅させ、月明かりだけのような薄暗い場所でも昼間に撮影しているような映像にしてくれるのです。
ただし暗視カメラは必ず光が必要となります。
僅かな光でもあれば明暗に差はでますが撮影することは可能です。光が全くない暗闇は暗視カメラでは撮ることができません。
一方、赤外線カメラは全く光のない世界が撮れるカメラです。
赤外線に感度を持つカメラは赤外線LEDの光が届く範囲であれば真っ暗闇をどこまでも撮影ができます。
赤外線の照射距離が
・400m
・500m
の暗視ならより遠くのものまで映すことができます。
しかしその距離になると人の目では遠すぎて見えないので、カメラ機能付きの暗視スコープなど高性能なカメラもあります。
どちらも夜間での
・防犯カメラ
・監視カメラ
証拠映像の撮影に役立ちます。
赤外線付き小型カメラのおすすめ
小型カメラや防犯カメラなど、赤外線が付いた機種はかなり多くの種類が販売されています。
ここでは
買って後悔するようなおもちゃレベルの小型カメラは赤外線カメラとしての用途があまりないので、省きます。
実用レベルの赤外線LEDを搭載した人気のおすすめの
・小型カメラ
・防犯カメラ
を照射距離3段階に分けて紹介していきます。
赤外線照射距離3~4m
赤外線光の照射距離3m~4mの小型カメラを紹介していきます。
実用レベルで言うと部屋全体を撮るのが不可なレベル。
狭いスペースの部屋や一点集中で撮ることが前提なら使えるレベルの小型カメラです。
- 持ち運べる赤外線機能が付いた小型カメラとして人気、赤外線照射距離は3m。
赤外線照射距離5~9m
赤外線の照射距離が5m以上となるとかなりの実用レベルとなります。
5mでは部屋全体は難しいですが、10mに近くなるほど実用レベルは上がります。
- あらゆる場所で使えるキューブ型カメラ照射距離5~8m
- 小型ワイヤレス防犯カメラ赤外線照射距離約8m
赤外線照射距離10m以上
小型カメラに付加機能としてつけられた赤外線LED。
10m以上の機種を紹介していきます。
今まででは考えられないほど小さな小型カメラでも実用レベルに達した赤外線照射距離10m以上の機種が販売されるようになりました。
本気で暗闇を撮影したい人におすすめできるレベルです。
一般的な部屋なら広範囲の撮影ができます。
スマホ操作で回転する小型カメラ
- デジタル表示の置き時計型カメラは赤外線照射距離10m
- 遠隔操作ができる置き時計型カメラ。赤外線照射距離は約10m
- クリップ付きでスーツのポケットなどに挿し込んで使えるカメラ。赤外線照射距離約10m
- 自動追尾する防犯カメラ、赤外線照射距離約10m
- Wi-Fi屋外監視カメラ、赤外線照射距離約150m
- ナイトビジョン双眼鏡、赤外線照射距離約400m
この記事のまとめ
赤外線LEDを搭載した
・小型カメラ
・防犯カメラ
には「照射距離」があるのがお分かりいただけたと思います。
用途で選ぶ後悔しない赤外線LEDカメラを再確認すると
- 部屋の中、限られたスペースなら5m以上
- 屋外、防犯カメラなら10m以上
- 暗視スコープなら100m以上
何を撮影したいのか、どこで撮影したいのかで必要となる「照射距離」も違ってきます。
赤外線LEDが搭載された暗視撮影ができるカメラはスペック表に記載の「照射距離」を確認してから購入しましょう。
特に防犯カメラ、監視カメラの場合必須です。
実用できるレベルで使いたいなら照射距離10m以上を購入すれば間違いありません。
ただしより遠くより広範囲を求めるなら
・20m
・30m
・100m
・500m
と利用する用途に合ったものを選ぶ必要があります。
寝静まる夜間になると空き巣、不法侵入、下着泥棒、車などへのイタズラなど多くの犯罪が行われます。
もしもに備えて赤外線LEDカメラで安心を手に入れましょう。